News & topics SUN Dec.29.2019 Update
いつもYES SURFブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
ライアンとのアポが取れそうだと連絡があったのが、私達がカリフォルニアに旅立つ2ヶ月ほど前。
三顧の礼を尽くして、ライアンに会う。
これまで、ロスアンゼルスから北上するたび、一足違いでいつも彼に会うことが叶わず、無念の思いを胸に秘め、帰国の途についていた4年間。
もしライアンに会えれば、彼のボードについて、色々聴きたかったことがたくさん聞ける。
今や入手困難なボードの代名詞となっているうちのボードビルダーの一人である、ライアン・ラブレース。
YES SURFでも、首を長くして入荷を待ち、入荷すれば、即完売してしまうほどの人気ぶり。
4年前に初めて訪れた、ライアン・ラブレース本人のショップ「TRIM CRAFT」では、ライアンシェイプのボードは、全てSOLD OUTの札が貼られており、本人以外のシェイプボードが数本のみという有様だった。
多くの人が彼のボードを望み、完全フルハンドシェイプに情熱を傾けるからこその結果である。
アートコミュニティの中で育ったライアンは、独学でサーフボードを削り始めたそうだが、人気シェイパーのうちの一人になることは、容易いことではない。
彼の手がけたV-Bowlsを多くの有名プロサーファーが乗り、賞賛され、日本でも、多くのファンが彼のボードを心待ちにしている。
彼のボードシェイプに対する情熱と過去から現在までにつながる多くのシェイパーに対するリスペクト、地元の波を愛し、伝統を受け継ぎ、未来へつなげ、次世代を育成する心の寛容さと聡明さ。
彼の地元の波のコンディションの状況をライブカメラを設置して、お金を払った会員だけ見ることができるシステムに掲載するという話が浮上した時、ライアンがそれに反対する運動に参加したという話を小耳に挟んだ。
今やSNSで波情報やポイント情報は、拡散され、世界中どこの海も満員御礼。
ビジネスの良い面、悪い面を彼がよく理解していることは、彼自身のサイトでもよくわかる。
今回会うことができて、ボードの話もできたが、彼の誠意ある人柄や、考え方に少しでも触れることができて、本当に嬉しかった。
彼のランチが終わる時間を見計らって、ファクトリーにお邪魔した。
「Almost Cut My Hair」というライアンのサーフムービーに登場する犬がお出迎えしてくれた。
君ともやっと会えたね。
ライアンのファクトリーには、たくさんの若者が働いていて、彼らは、Trim Craft Surfboardsのシェイパー達だった。
Trim Craft Surfboardsは、ライアン・ラブレース、ジェリー・ロペス、リッチ・パベルのデザインを若手シェイパー9人(現在)がシェイプするサーフボードブランド。
次世代のシェイパーを育成していく意図のもと、企画された。
そのうちの一人のジェイコブが、自身のレーベルでシェイプしているボードを見せてくれた。
たちまちボード談義で盛り上がる。
みんなサーフボードが大好きなんだなー。
もちろん、私達も。
今回ライアンに会う前に偶然手にした『Michael Mackie』のボードの話もした。
『Michael Mackie』は、オーストラリア在住のボードビルダーだが、彼の作るボードについて多くのシェイパーがリスペクトを寄せており、ライアンもそのうちの一人だった。
彼のサイドカットフィッシュのモデルは、『Michael Mackie』のボードに由来することを彼自身、彼のサイトの中でも語っている。
ライアンは、『Michael Mackie』から譲り受けたというテンプレートを見せてくれた。
今一番新しいモデルで、テストを繰り返したというボードも見せてくれた。
F/M。
今一番乗ってみたいボード。
我々も沖縄のブレイクがいかに早くて、ショートショルダーで、そのためいかにV-Bowlsがフィットするかを伝えたり、そんな沖縄の波にどんなボードがフィットするのか質問したり。
ボードに関する話は、尽きない。
が、彼は、とても忙しそうだ。
話している最中も、入れ替わり、立ち替わり、ボードや仕事の指示をみんなが聞きにくる。
名残惜しいが、バイバイフォトを一緒に撮影して、お礼を行って、ファクトリーを後にした。
ライアンとも一緒にサーフィンしたいなー。
と思っていると、後日、V-Bowlsの10’0”を借りて少し乗せてもらえる機会に恵まれた。
波は、極上。
こんないい波をローカルサーファーが見逃すわけはない。
人もすごく多いのだけど、サーファーのレベルもみんなすごく高い。
ピークや、いくつかあるミドルセクション、とてもじゃないが、なかなか波キャッチのチャンスが来ない。
そんなコンディションの中、「インサイドの誰もいないピークでもこの板は、充分楽しめるよー」と言われ、入水。
誰も見向きもしない、インサイドの小さな波でも充分楽しめた。
それでも、沖縄の波よりはるかにロングライドでき、テイクオフ時は、小波でも、途中、急に胸くらいに波が立ち上がったりする。
急激な波の変化にも柔軟にスインスインと対応して、レールがはいれば、スピードを得て、「快感」の2文字。
10フィートもあるようには感じられない、このターンの軽さ。
でも10フィートもあるから波キャッチは、最強だ。
ありがとう。ライアン。
ありがとう。トリムクラフトメンバー。
YES SURFでは、Ryan Lovelace Surf Craftのサーフボードのカスタムオーダーを常時受付中。
詳細については、YES SURFまでお気軽にどうぞお問い合わせください。
Ryan Lovelace Surf Craft
v-Bowls
言わずと知れた、ライアンの代表的なミッドレングスのモデル。
The ThickLizzy
小波から掘れ波、オールラウンドに使えるミッドレングス。
RabbitsFoot
フィンレス・フリクションフリーの非対称ボード。
SooperSnake
ライアン・バーチからインスパイアを受けて作られた、非対称フィッシュ。
Sidecut Keel
アンドリュー・キッドマンの「Glass Love」の中で、オーストラリア在住のボードビルダー、『Michael Mackie』のシーンからインスパイアを受け、作られた。
その他、多くのモデルがカスタムオーダーできます。
Special Thanks Photo by Daisuke Nakamura
YES SURF